2026.08.21
WANG YUNTAO准教授(情報学専攻)らの研究チームが、2026年8月3日(月)~5日(水)にマカオで開催された国際会議 The 9th International Conference on Frontiers in Cyber Security(FCS 2026)において、Best Paper Awardを受賞しました。
本会議は、サイバーセキュリティ分野における最新の研究成果について議論する国際会議であり、暗号技術、システム・ネットワークセキュリティ、AI・機械学習を活用したセキュリティ技術など、幅広い研究テーマを扱っています。
本研究では、耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography: PQC)の安全性の根拠として重要なLearning With Errors(LWE)問題に対する機械学習を用いた攻撃手法について研究しました。近年、Transformerなどの機械学習技術を利用してLWEの秘密情報を復元する新しい暗号解析手法が注目されています。一方、従来手法では学習データを生成するためのBKZ格子基底簡約による前処理に大きな計算コストを要することが課題となっていました。
BKZによって生成される係数分布の特徴を分析し、その分布を模倣した学習データを低コストで生成する新たな前処理手法を提案しました。実験の結果、係数分布を適切に制御することで、より高いハミング重みを持つ秘密情報の復元が可能になるとともに、秘密情報の復元に必要な学習データ数を大幅に削減できることを示しました。
これらの成果は、機械学習に基づく新しい観点からLWE問題の安全性評価を行うものであり、今後の格子暗号および耐量子計算機暗号の安全性評価に貢献することが期待されます。
【受賞者】Yuntao Wang, Kazuma Kubota, Haibo Zhang
【発表題目】Low-Cost Distribution-Mimicking Preprocessing for Machine-Learning Attacks on Binary LWE
【著者】Yuntao Wang, Kazuma Kubota, Haibo Zhang