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【ニュースリリース】国内初、災害ごみ対応にAIナビ導入 ~産学官6者連携で排出・収集の防災モニター訓練を実施~

2026.02.13

国立大学法人電気通信大学(所在地:東京都調布市調布ケ丘1-5-1、学長:田野俊一、以下「電通大」)、国立大学法人東京外国語大学(所在地:東京都府中市朝日町3ー11-1、学長:春名展生)、調布市(所在地:東京都調布市小島町2-35-1、市長:長友貴樹)、Borzoi AI株式会社(所在地:東京都千代田区神田猿楽町2-8-11 VORT水道橋III、代表取締役:原宏太)、株式会社調布清掃(東京都調布市深大寺東町5-8-1、代表取締役:梶原良介)および株式会社吉野清掃(東京都調布市布田5-24-1、代表取締役:吉野普郁)は、東京都デジタルサービス局が推進する「令和7年度 東京データプラットフォーム(TDPF)ケーススタディ事業」に採択された「災害廃棄物から都市機能を守る産官学連携プロジェクト」として、2026年2月に災害ごみの排出・回収に関する防災モニター訓練を実施いたします。

背景

本学、調布市およびBorzoi AI株式会社は、産学官連携の取り組みとして、市民向けのAIごみ分別支援システム「調布ごみナビ」および、行政・収集事業者向けの「AI収集ナビ」を共同開発してきました。調布ごみナビは深層学習による画像認識と大規模言語モデルを組み合わせ、カメラ画像によるごみの分別案内や40カ国語対応を実現し、2024年には東京都主催「Tokyo区市町村DX award 2024」の大賞を受賞しています。現在、調布市・能代市・福生市・羽村市・加賀市・江東区・苫小牧市・東大和市の8自治体で実サービスとして運用中であり、2026年度からは全国32の自治体に拡大する予定です。
今年度、東京都デジタルサービス局が推進する令和7年度TDPFケーススタディ事業に採択いただき、これらのシステムに災害時のごみ排出・収集をガイダンスする「災害モード」を新たに実装しました(図1、2)。災害モードでは、発災時に特有のAIによるごみの分別案内のほか、仮置場(臨時集積所)の位置情報を市民や収集事業者に即時提供し、災害時に「どこに・何を・いつ出せばよいか」を案内します。本訓練は、この災害モードの有効性を多角的に検証するものです。

図1:「AIごみナビ(災害モード)」の利用イメージ
図2:「AI収集ナビ」の利用イメージ

防災モニター訓練の概要

本訓練では、以下の4種類の実証実験を実施し、災害時のごみ排出から収集完了までの一連のプロセスを多面的に検証します。

1.防災ボランティア参加型モニター調査

登録された防災ボランティアを対象に、「調布ごみナビ(災害モード)」の使いやすさや分かりやすさについて対面でのモニター調査を実施します。災害ボランティア活動の経験や関心のある市民ならではの視点から、実践的なフィードバックを収集し、機能改善に反映します。

  • 実施日:2026年2月22日(日)10時00分~
  • 会場:電気通信大学内
  • 参加者:10名程度
  • 内容:調布ごみナビ(災害モード)を試用し、分かりやすさ・使いやすさに関するヒアリングおよびアンケートを実施
2.オンライン市民モニター調査

調布ごみナビのユーザー市民を対象に、オンラインでの被検者実験を実施します。調布市で被災したと仮定し、従来のWebページによる案内と「調布ごみナビ(災害モード)」による案内を比較して、災害時のごみ排出方法に関する理解度・所要時間・満足度等を定量的に評価します。

  • 実施時期:2026年2月中(オンライン)
  • 対象:調布ごみナビのユーザー市民(100名目標)
  • 内容:調布ごみナビ(災害モード)の使用群と非使用群(ウェブページ参照群)に分けてタスクを実施、理解度・満足度等を統計的に評価
3.事業者・自治体による合同収集訓練

調布市の指定収集事業者である株式会社調布清掃および株式会社吉野清掃の2社が参加し、地震・台風等の災害発生後を想定した模擬収集訓練を、調布市と共同で実施します。AI収集ナビには、政府・自治体のオープンデータ(浸水履歴・ハザードマップ・世帯構成の統計地理情報等)を統合し、発災時の災害ごみ排出量を推定するモデルを搭載しています。本訓練では、被災した臨時集積所の状況を確認するパトロールと報告の訓練を、AI収集ナビを使用しないアナログ条件と使用するデジタル条件の2回に分けて行い、排出量推定に基づく巡回ルートの意思決定や情報伝達・収集業務にかかる時間を比較検証します(図3)。臨場感のある訓練を行うため、災害時の集積所の様子はAIで疑似的に生成します(図4)。

  • 第1回(デジタル条件):2026年2月3日(火)実施済み
  • 第2回(アナログ条件):2026年2月17日(火)8時~
  • 拠点:電気通信大学を拠点とし、調布市内全域で走行
  • 内容:仮置場・臨時集積所の巡回ルートの意思決定および実際の巡回経路・所要時間・業務連絡の内容を記録し、従来の紙・電話を基本とする方法とAI収集ナビ活用時を比較
図3:事業者・自治体による合同収集訓練の様子
(左:災害ごみ排出量推定の様子、右:パトロール出発前の様子)
図4:発災時の集積所の様子を表す訓練用AI画像
(注意:実際のものではなく、AI生成画像です)
4.学生多文化共生ワークショップ

東京外国語大学の学際研究共創センター(TReND)と連携し、留学生・自治体職員・デザイナーが参加する多文化共生ワークショップを実施します。調布市内の外国人住民(約2.5%)に向けた「やさしい日本語」対応や多言語での災害ごみ情報デザインに取り組み、成果を調布ごみナビに実装するとともに、クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスによるオープンデータとして公開します。

  • 実施日:2026年2月17日(火)13時00分~
  • 主催:東京外国語大学 学際研究共創センター
  • 参加者:東京外国語大学留学生、調布市職員、デザイナー 等
  • 会場:東京外国語大学
  • 参考:https://www.tufs.ac.jp/trend/news/item-056007.html

詳細はPDFでご確認ください。

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